a) テーマが同じ
高貴な血筋ながら後ろ盾を持たないために儚い身の上の少年(受け)が、帝の覚えめでたい出世街道まっしぐらの青年貴族(攻め)と恋をしてハッピーエンド。
このテーマは、ボーイズに限らず多くの恋愛もので語られているものであり、王道ネタと呼ばれるものです。Bサイトが独自に編み出したテーマではありません。まして、先発でさえありません。そして、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。ちなみに、両者は違うテーマも含んでいます。 <相違点> |
b) 攻めの身分が同じ
先発サイト:三位の中将
後発サイト:三位の中将 ※改定前
平安時代の代表的小説といったら『源氏物語』です。そこで光源氏自身が三位の中将(正確には三位の宰相中将)で、ライバルには左大臣家の嫡男で頭の中将(近衛の中将で蔵人の頭を兼ねた人)が出てきます。そして、三位の中将というのは平安時代の青年貴族の代表的花形出世コースですので、偶然の一致は十分にありえます。 ボーイズの現代ものに例えると、IT企業の社長とか部長でしょうか。こんなもので優先権を主張されても困惑するだけです。 アイディアは著作権の保護の対象ではありません。 |
c) 名前が一字違い
先発サイト:藤原頼安(ライアンの当て字)
後発サイト:藤原頼道(実在した人物) ※改定前
平安時代に優勢を誇ったのは藤原一族です。逆にいうと藤原姓でない貴族が高い官位につくのは難しい。姓が同じでも不思議ではありません。そして、貴族の一字違いの名前はよくあります。アイディアは著作権の保護の対象ではありません。 |
d) 出会いが同じ
先発サイト:藤花の宴の夜
後発サイト:花見の宴(夜も更けた頃)
くわしくは 先発:宮中での藤花の宴の後、飛香舎(藤壷)の庭に立ち寄った青年(攻め)は、藤の花の下で独り蘭陵王の舞を舞う少女(受け)を見初める。 後発:桜が満開を迎えようとするある日、二条にある青年(攻め)の屋敷での花の宴で、少年(受け)は旅の一座の舞手として舞を披露し見初められ伽を命じられる。 <共通点> <相違点> これもアイディアにすぎません。アイディアは著作権の保護の対象ではありません。 |
e) 屋敷に連れられて来た時のシーン(引き取られた場面)が同じ
連れられて来た事を喜ばない少年(受け)に、厭われていると誤解した青年(攻め)が去ろうとする。すると慌てて少年(受け)が取りすがる。
くわしくは 先発:取り乱したように泣くばかりの少年(受け)に、青年(攻め)は「それほどに……わたしがお嫌いですか」と言って少年(受け)の身体を離す。するとあわてて袖に取りすがる少年(受け)。泣いていたのは自分が浅ましい(異形/金髪碧眼で女として育った)身の上で、青年(攻め)には知られたく無かったから。 後発:悲しげに俯くばかりの少年(受け)に、青年(攻め)は「それと知らず高貴な身を抱いてしまった。もう触れぬ。触れぬから安心するがよい……」と言って少年(受け)の身体を離しその場から立ち上がる。その袖を少年(受け)の指が捉える。俯いていたのは青年(攻め)が自分を屋敷に連れてきたのは、自身を求めた訳ではなく、高貴な血筋ゆえと思えたから。 <共通点> <相違点> こういったシーンは古くから散々使い古されたネタです。先発サイト独自のものではありません。また、先発であるわけでもありません。しつこいようですが、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。 |
f) 決め台詞が同じ
先発サイト:「私たちは比翼の鳥、連理の枝なのですから」
後発サイト:「私たちも今日から比翼の鳥になるのだよ」
あとがき、用語解説から両者が白楽天の「長恨歌」からこの言葉を引用している事が判断できます。つまり引用元が同じなら偶然の一致は十分に起こりうることです。 【比翼連理】 ちなみに、Yahooで【比翼連理】で検索すると939件ヒットします(2003.03.16)。やはり、これも先発サイトの独自のものではありません。先発でさえもありません。そして、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。 |
以上の証明により、アイディアにおいて両者の間に共通点はありますが、多くの相違点もまたある事が分かると思います。そして、その相違点でさえも、どこかで見たことがあるようなものばかりです。いかにアイディアに優先権を求めることが愚かしいかをご理解いただけたでしょうか。先発サイトが上げている問題点は物語を構成する上での一要素であるアイディアに過ぎず、実際のところ両者の小説を読むとそれぞれ独自性を持ったお話でした。ですから、先発サイトが上げていた類似点により、後発サイトの作品を剽窃(盗作)であると決め付けるのは誤りです。
「アイディアは著作権の保護の対象ではありません」
著作権が保護しているのはアイディアを表現した著作物です。この言葉を私が執拗に繰り返したのは、アイディアに優先権を認めてしまったならば、創作活動(ここでは小説を書くと言う事)事態が覚束ないことになるからです。そして、アイディアが保護されない理由は、著作権が創作という「文化の発展」に寄与するために存在するからです。
g) 相互リンク
先発サイト:作品を読んでいるに違いない
後発サイト:作品を拝見していません
先発サイトの作品は隠しリンクによる裏においてある作品でした。このサイトは表にも大量の作品を置いており、サイトの全ての作品を読みつくすのは結構大変です。また、相互リンクをしているから作品を読んでいると断定するならば、サイトの全ての作品を読んで尚且つ更新されたなら漏れなく読んでいなければいけない事になりますが、ご本人はどうだったのでしょう。 わたしが知る限りでは更新が繁茂なサイトの書き手の管理人はあまり出歩かない人が多いようです。 また、相互リンクへの考え方は人それぞれです。
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a)〜f)の事項により先発サイトの主張は誤りである事が証明できたと思います。またg)で相互リンクをしているからといって必ずしも全ての作品を閲覧しているとは限ら無いことを紹介しました。仮に後発サイトが閲覧済みだったとしても、両者の作品は多少アイディアに共通点があるだけで、剽窃であると断定するのは誤りです。では何故先発サイトはこのような誤りをおかしたのでしょう。それは以下の二点があると思われます。
上記二点についてしっかりしていれば、盗作だと第三者が騒ぎ出した時、または疑われた時、サイトでの騒ぎを収めるのはそれほど難しいことではありません。では先発サイトはどうしたらよかったのでしょうか。
サイトにパクリ疑惑に対する掲載文を出すのだとしたら
これで大半の閲覧者は納得するでしょう。相手サイトにメールをする必要すら必要ありません。
もし、後発サイトでも同じようなトラブルが起こっているのだとしたら協力して同じような内容の文を掲載するといいかもしれません。これは両者が合意している場合に限ります。基本としては自分のサイトのトラブルは自分のサイトで治めるのが望ましいです。
そして、これでもいたずらメールなどが止らないとしたら、それはパクリ疑惑の騒ぎにのっかった別の悪意ある人物の行動です。悪戯メールに対する対処法は提言跡地に既出ですので割愛します。
※サイトの名称、作品タイトルは伏せさせていただきました。
先発サイトで掲載された剽窃問題とタイトルが入ったファイルより引用「-【先発サイト作品タイトル】-」との酷似作品の問題について (2002/10/22 の戯れ言日記より) えーと、ここ数日皆様にご心配をおかけしている問題についてですが。 <具体的な指摘点> ○出会い 先発サイトの別サイトの日記より引用2002,10,23 |
後発サイトの経緯説明文(1月14日)より引用 相互リンクさせていただいてはおりましたが、その作品は『裏』にあり、私は |