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   <【提言】逝村シロリと一緒にサンポ【留年組】138・230さん作成レポート>

先発サイトの主張: テーマが同じ、攻めの身分が同じ、名前が一字違い、出会いが同じ、場面が同じ、決め台詞が同じ。相互リンク先なのに知らないはずはない。2002年5月7日〜9月20日連載完結。

後発サイトの主張: 偶然かさなっただけ。2002年10月2日〜20日連載完結。

a) テーマが同じ
高貴な血筋ながら後ろ盾を持たないために儚い身の上の少年(受け)が、帝の覚えめでたい出世街道まっしぐらの青年貴族(攻め)と恋をしてハッピーエンド。

このテーマは、ボーイズに限らず多くの恋愛もので語られているものであり、王道ネタと呼ばれるものです。Bサイトが独自に編み出したテーマではありません。まして、先発でさえありません。そして、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。ちなみに、両者は違うテーマも含んでいます。

<相違点>
■テーマ
先発:少女だと思って恋をした相手(受け)は、実は少年でした。ハッピーエンド。
(とりかへばや物語の影響)
後発:身分違いの恋を心配したら、実は少年(受け)は高貴な血筋でした。ハッピーエンド。
(伝統的な貴種流離譚)
■受けの出自による立場
先発:帝の異母弟
後発:帝の甥

b) 攻めの身分が同じ
   先発サイト:三位の中将 
   後発サイト:三位の中将 ※改定前

平安時代の代表的小説といったら『源氏物語』です。そこで光源氏自身が三位の中将(正確には三位の宰相中将)で、ライバルには左大臣家の嫡男で頭の中将(近衛の中将で蔵人の頭を兼ねた人)が出てきます。そして、三位の中将というのは平安時代の青年貴族の代表的花形出世コースですので、偶然の一致は十分にありえます。
ボーイズの現代ものに例えると、IT企業の社長とか部長でしょうか。こんなもので優先権を主張されても困惑するだけです。
アイディアは著作権の保護の対象ではありません。

c) 名前が一字違い
   先発サイト:藤原頼安(ライアンの当て字)
   後発サイト:藤原頼道(実在した人物) ※改定前

平安時代に優勢を誇ったのは藤原一族です。逆にいうと藤原姓でない貴族が高い官位につくのは難しい。姓が同じでも不思議ではありません。そして、貴族の一字違いの名前はよくあります。アイディアは著作権の保護の対象ではありません。

d) 出会いが同じ
  先発サイト:藤花の宴の夜
  後発サイト:花見の宴(夜も更けた頃)

くわしくは

先発:宮中での藤花の宴の後、飛香舎(藤壷)の庭に立ち寄った青年(攻め)は、藤の花の下で独り蘭陵王の舞を舞う少女(受け)を見初める。

後発:桜が満開を迎えようとするある日、二条にある青年(攻め)の屋敷での花の宴で、少年(受け)は旅の一座の舞手として舞を披露し見初められ伽を命じられる。

<共通点>
■舞を舞う受けを攻めが見初める。

<相違点>
■出会った時期
先発:藤の季節(京都では4月下旬から5月)
後発:桜の季節(京都では3月下旬から4月)
■出会った場所
先発:宮中
後発:青年の屋敷
■見初めた状況
先発:宴の後
後発:宴の最中

これもアイディアにすぎません。アイディアは著作権の保護の対象ではありません。

e) 屋敷に連れられて来た時のシーン(引き取られた場面)が同じ
連れられて来た事を喜ばない少年(受け)に、厭われていると誤解した青年(攻め)が去ろうとする。すると慌てて少年(受け)が取りすがる。

くわしくは

先発:取り乱したように泣くばかりの少年(受け)に、青年(攻め)は「それほどに……わたしがお嫌いですか」と言って少年(受け)の身体を離す。するとあわてて袖に取りすがる少年(受け)。泣いていたのは自分が浅ましい(異形/金髪碧眼で女として育った)身の上で、青年(攻め)には知られたく無かったから。

後発:悲しげに俯くばかりの少年(受け)に、青年(攻め)は「それと知らず高貴な身を抱いてしまった。もう触れぬ。触れぬから安心するがよい……」と言って少年(受け)の身体を離しその場から立ち上がる。その袖を少年(受け)の指が捉える。俯いていたのは青年(攻め)が自分を屋敷に連れてきたのは、自身を求めた訳ではなく、高貴な血筋ゆえと思えたから。

<共通点>
■青年(攻め)が少年(受け)の様子を誤解して抱きしめていた身体を放す。
■少年(受け)が取りすがる。
■少年(受け)が喜ばなかった理由を話す。

<相違点>
■受けの様子
先発:取り乱したように泣く
後発:黙って俯いたまま顔を上げない
■攻めが誤解した内容
先発:無理やり抱かれただけで、青年(攻め)の思いは迷惑。
後発:少年(受け)はくぐつとして抱かれただけで、望んで抱かれたわけでない。恋人関係は望んでない。
■受けが喜ぶ様子を見せなかった理由
先発:自分は異形(金髪碧眼)な上に女として育てられた。恥ずかしい。青年(攻め)に知られたくなかった。
後発:屋敷に連れられて来たのは血筋にお陰で、少年(受け)自身を求めてくれた訳ではないと考えたから。

こういったシーンは古くから散々使い古されたネタです。先発サイト独自のものではありません。また、先発であるわけでもありません。しつこいようですが、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。

f) 決め台詞が同じ
  先発サイト:「私たちは比翼の鳥、連理の枝なのですから」
  後発サイト:「私たちも今日から比翼の鳥になるのだよ」

あとがき、用語解説から両者が白楽天の「長恨歌」からこの言葉を引用している事が判断できます。つまり引用元が同じなら偶然の一致は十分に起こりうることです。

【比翼連理】
比翼の鳥、連理の枝の略。男女の深い契りの例え。   (広辞苑 第4版 岩波書店)
「比翼の鳥」と「連理の枝」の意。男女が極めて仲がむつまじい例え。   (Yahoo辞書)

ちなみに、Yahooで【比翼連理】で検索すると939件ヒットします(2003.03.16)。やはり、これも先発サイトの独自のものではありません。先発でさえもありません。そして、アイディアは著作権の保護の対象ではありません。

以上の証明により、アイディアにおいて両者の間に共通点はありますが、多くの相違点もまたある事が分かると思います。そして、その相違点でさえも、どこかで見たことがあるようなものばかりです。いかにアイディアに優先権を求めることが愚かしいかをご理解いただけたでしょうか。先発サイトが上げている問題点は物語を構成する上での一要素であるアイディアに過ぎず、実際のところ両者の小説を読むとそれぞれ独自性を持ったお話でした。ですから、先発サイトが上げていた類似点により、後発サイトの作品を剽窃(盗作)であると決め付けるのは誤りです。

「アイディアは著作権の保護の対象ではありません」

著作権が保護しているのはアイディアを表現した著作物です。この言葉を私が執拗に繰り返したのは、アイディアに優先権を認めてしまったならば、創作活動(ここでは小説を書くと言う事)事態が覚束ないことになるからです。そして、アイディアが保護されない理由は、著作権が創作という「文化の発展」に寄与するために存在するからです。

g) 相互リンク
  先発サイト:作品を読んでいるに違いない
  後発サイト:作品を拝見していません

先発サイトの作品は隠しリンクによる裏においてある作品でした。このサイトは表にも大量の作品を置いており、サイトの全ての作品を読みつくすのは結構大変です。また、相互リンクをしているから作品を読んでいると断定するならば、サイトの全ての作品を読んで尚且つ更新されたなら漏れなく読んでいなければいけない事になりますが、ご本人はどうだったのでしょう。
わたしが知る限りでは更新が繁茂なサイトの書き手の管理人はあまり出歩かない人が多いようです。

また、相互リンクへの考え方は人それぞれです。

  • 相互リンク先が更新したら必ず感想書き込みをする。相互しているのだからそれくらい当たり前。
  • 好きな作品が一つあればリンクするが、好みの傾向があるので全部好きと限らない。
  • リンクを張ってくれたら、サイトの内容を斜め読みしてからとりあえず張り返す。
  • 自分のサイトを気に入ってリンクしてくれたから、嬉しくてリンクを張り返す。内容はあまり重視していない。
  • 自分でサイトを持つ前は熱心に通っていて好きで相互を申し込んだが、更新が忙しくて足が遠のいた。
  • 友達なので相互リンクを張る。内容は関係ない。
  • リンクしてくれたら張り返すのがジャンルで慣習になっているのでそれに従っているだけ。

 

a)〜f)の事項により先発サイトの主張は誤りである事が証明できたと思います。またg)で相互リンクをしているからといって必ずしも全ての作品を閲覧しているとは限ら無いことを紹介しました。仮に後発サイトが閲覧済みだったとしても、両者の作品は多少アイディアに共通点があるだけで、剽窃であると断定するのは誤りです。では何故先発サイトはこのような誤りをおかしたのでしょう。それは以下の二点があると思われます。

  1. 著作権に対する正しい知識の不足
  2. トラブル時のサイト管理人としての運営能力不足

上記二点についてしっかりしていれば、盗作だと第三者が騒ぎ出した時、または疑われた時、サイトでの騒ぎを収めるのはそれほど難しいことではありません。では先発サイトはどうしたらよかったのでしょうか。

サイトにパクリ疑惑に対する掲載文を出すのだとしたら

これで大半の閲覧者は納得するでしょう。相手サイトにメールをする必要すら必要ありません。
もし、後発サイトでも同じようなトラブルが起こっているのだとしたら協力して同じような内容の文を掲載するといいかもしれません。これは両者が合意している場合に限ります。基本としては自分のサイトのトラブルは自分のサイトで治めるのが望ましいです。
そして、これでもいたずらメールなどが止らないとしたら、それはパクリ疑惑の騒ぎにのっかった別の悪意ある人物の行動です。悪戯メールに対する対処法は提言跡地に既出ですので割愛します。

 

※サイトの名称、作品タイトルは伏せさせていただきました。

先発サイトで掲載された剽窃問題とタイトルが入ったファイルより引用

「-【先発サイト作品タイトル】-」との酷似作品の問題について

(2002/10/22 の戯れ言日記より)

 えーと、ここ数日皆様にご心配をおかけしている問題についてですが。
もともと数日前 突然複数(十通を超えます)の方々から「作品を剽窃されていますよ」というメールを頂いたのがことの起こりでした。

 それで、先様にお伺いしたところ、確かに設定、筋書きの一部、セリフ等などで偶然というにはあまりに多くの共通性を感じ、困惑したのは確かです。
そして、一日に十通を超えるメールというのは普段頂く感想メール数(1ヶ月に数通)から考えてましても、異常に多い数ですので、同じようにお感じになられた方が大勢いらっしゃる事実だと考えております。

 相互リンクのサイト様ということで、こちらの作品をご存じという前提から申し上げさせて頂くと、先にこちらの作品が既に完成されてサイトにて公開されております以上、
もう少し設定、筋書き、セリフ等においてかぶらないようにご配慮頂きたかったと思います。それが、こういった問題をあらかじめ回避するための最低限のルールだとは思います。

<具体的な指摘点>

○出会い
逝村= 藤花の宴の夜
先様= 花見の宴(夜も更けた頃)
どちらも舞を舞っている受けを見て攻めが一目惚れする。
○攻め
逝村= 三位の中将・藤原頼安
先様= 三位の中将・藤原頼道(改訂される前)
○受け
逝村= 先帝の子供・帝の異母兄弟
先様= 先帝の孫(帝の甥)
○引き取られた場面で
逝村= 邸に連れ帰った久里須が泣いてばかりいるのを「そんなに私の事を嫌っているのですか?」と久里須の身体を離そうとして、慌てて久里須が頼安の腕に取りすがる
先様= 中将と再会して邸に連れて来られるが、受けが浮かない顔をしているのを中将が「私のことが嫌いなのか」と誤解して離れようとすると慌てて、袖に取りすがる
○決めぜりふ
逝村= 攻めが「私たちは比翼の鳥、連理の枝なのですから。」と言う。
先様= 攻めが「私たちも今日から比翼の鳥になるのだよ。」と言う。

一つ一つだったら、「偶然かな?」ですが、それがこう何重にも重なると、やはり気になります。

それと、先様のお話が私の話と違っている代わりに、商業誌と似ている部分。
○有名女性作家S様の「G」
 男女の違いはあるが、公家の子供が嫉妬からさらわれてくぐつとして育ち、成長後、高貴な人の寵愛を受けて、最後に出生の秘密も明かされる。
赤ん坊をさらわれたショックで母親が死に、その後父親も流行病で死亡というところも同じ。また先様のではさらった男がくぐつの女性と一緒になって首領になり、「G」では、さらった女がくぐつの首領と一緒になる。

○BL作家A様の「O」
捨て子の稚児(ご落胤・受けの名前が同じ)と藤原一門の御曹司との恋愛。

先発サイトの別サイトの日記より引用

2002,10,23
ところで、体調が悪いこともあったのですが、他にもう一つ・・・。
ここなら向こうにはばれないだろうからいいかな?
実は、ここ数日ちょっと別サイトのトラブルでこちらに顔出しできずにいました。
いやぁ まいったまいった。思いっきりパクられてしまいましたよ
 小説を、しかも相互リンクしている方に!
同じテーマで、主人公の身分、設定、出会い、決めぜりふ、
み〜んなかぶっているんですからねえ。平安物なんですが、
主人公の地位も一緒なら、名前も下の一字が違っているだけ。
それでも、全部偶然だそうで・・・。
まっ、創作時期を見ればどちらが先に書かれたものかすぐにわかりますし、
あんまり大事にすると怖いので、我慢しましたけどねえ。
でもやっぱりあんまりだとは思います。グスン(┬ ┬)

後発サイトの経緯説明文(1月14日)より引用

 相互リンクさせていただいてはおりましたが、その作品は『裏』にあり、私は
『裏』ページまでは参りましたが、その作品は読みませんでした。ですので、
当然、故意に剽窃したという事実は全くございません。

 ですが、偶然、主人公ふたりのうちの、ひとりの「役職名」が同じで、そしてさら
にその役職の人物の名前一字も偶然、同じだったこと、これは事実で、そこ
から剽窃ではとの声が出たものと思われます。

 私がそちらサイトでそういう騒ぎになっていると知ったのは、『-【後発サイト作品のタイトル略】-』連載が
終わった数日後だったと思います。それまで連続19日UPを続けていた私は多
忙で、他のサイトさまをゆっくり訪問する暇はありませんでした。

 それで、連載終了後訪れた相手先サイトさまにある、この問題についての説明の
ページを目にし、サイト名は書かれてありませんでしたが、これは、私の作品、
『-【後発サイト作品のタイトル略】-』のことを差しているのだと気がつき、10月25日に、相手先管理人さま
に、すぐにメールをお送りしました。

 その中で、問合せのメールが届き、対応に追われたこと、騒ぎになっていたこと
について、心からの謝罪をさせていただくと同時に、私自身は、剽窃などは一切
しておりませんと説明させていただきました。



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